練習報告
Christ ist erstanden (Schubert)
Herbstlied (Mendelssohn)前半
鳥が (新実徳英) ※新曲
O schöne Nacht (Brahms)※新曲
この日の練習は「みのりの時間」番外編、みのりさんによるストレッチ&発声練習から始まりました。
「いつも当たり前にやっている事」の意味をもう少しちゃんと見直してみるという練習をしました。
すなわち、『何のためにストレッチや発声練習をするの?』を念頭に置き直しました。
例えば、ウォーミングアップ一つとってみても、歌うのに使う筋肉はどれか?と考えながらやってみる。
その発声練習を、その日に歌う曲のどこにどう活かすのかを意識しながらやってみる。
なぜ、毎回同じような発声練習をするのかということも、明示的な目的(例えば、自分の声のコンディションを確認する為とか)を持ってやることで、時間の使い方が変わってきます。
しっかり歌う身体になった所で、「Christ ist erstanden」(Schubert)から、曲の練習の始まりです。引き続き「みのりの時間」です。
この曲は既に何ヶ月も練習している曲ですので、音はキッチリ取れており、細かい部分に気が配れるようになって来ています。
しかし、音楽にしていくのはここからです。
歌う音楽のイメージをもう少し明確に共有するため、逐語訳の再確認をしました。
・・・と言っても、実は詩の意味については何度も説明されており、大意については理解できています。
今日は更に一歩踏み込んで、ただ意味を確認していくだけでなく、どの言葉の時にどのような和音があてられているか。言葉と曲の作りの関係性にも目を向けていきます。
例えば、erstandenは「(キリストが)復活した」なので明るい和音があてられいる。これは判り易い。
Sterblichenは「死すべきもの」という暗めの意味を持つが、別の意味で「はかなきもの」というニュアンスもある。
そういう目線で楽譜を眺めると、この単語の中での和音変化の場面では半音進行を持つパートが散りばめてあり、そこに「はかなさ」の表現が見て取れる。
そうやって、今までの歌い方で良いのか?どう表現するのか良いのかを緻密に見直していき、実際に歌って見ました。
歌詞の持つ細かいニュアンスやイメージを表現しながらも、Bassの進行との関係性、声の向かうべき方向、音の落ち着けどころなど、これまで練習してきたにも細かく気を使いながら何度も歌っていきます。
こうなると段々と立体的な表現が見え始めてきた様に感じられて、この練習は大変に楽しいものでした。
実際には少しばかり歌い方が丁寧すぎたというか、インテンポ過ぎる感があったのですが、テンポを揺らしての表現はこれから指揮者と呼応しながら広げていく事になりそうです。
実に楽しみです。
つづけて、「Herbstlied」(Mendelssohn)についても、同様に逐語訳を確認して行きました。
この曲は前半部と後半部で印象が全く正反対と言って良いほど異なります。
前半部は、「恋に破れて落ち込んでいる様」。
後半部は、「新しい恋を見つけてお花畑になってる様」。
もちろん曲の作りその様になっているわけです。
この曲も大意はもちろん把握済みですが、先程までと同様に、丁寧に逐語訳を見直していきます。
前半は暗く、後半は明るく・・・だけでなく、単語単位で楽譜と対比して細かく見ていくと色々と見えてきます。
ちょうど前半部まで見た所で良い時間になったので、続きの逐語訳の見直しは宿題となりました。
次回の練習で、個別に逐語訳を見直してイメージをしてくる結果で、どの様に音楽が変わるか楽しみです。
練習の後半は、新曲2つに手を付けました。
新曲は「鳥が」(新実徳英)と「O schöne Nacht」(Brahms)です。
「鳥が」については、ざっと譜読みを行いました。
この曲は有名なだけあって、歌ったことが有ったり何となく知っていたりする方も多かった為、かなりスムーズに譜読みが進んだように思います。
しかし、一方で「前に歌ったときの癖」「思い込み」で歌ってしまわないように気をつけたいところです。
「O schöne Nacht」については、初見視唱にトライしてみました。
さすがに難しかったですが、歌ったことがあるメンバーもおられたので、曲の雰囲気は何となく理解できたように思います。
タイトルの通り旋律が美しい曲です。
そんなこんなで時間いっぱい、今日の練習もあっという間でした。
ところで、この日の練習後には、予定の会うメンバーで懇親会を行いました。
いい感じになってきた所で、自撮り棒でパチリ!
真面目に練習をした後に仲間と飲むお酒はこれまた格別に美味しいですね(笑)
(by テノール きったん)