本日の練習は、いつもより1時間長い本年最後の練習です。
まず、久しぶりのMozartから。 Sancta Maria,mater Deiのおさらいしました。それから、新しくLaudate DominumとAllelujaの音取りをしました。いつもながら音取りはあっという間に終わり、その曲のアンサンブルのかたちが立ち現れてきます。新しい楽曲に「ようこそ私の部屋へ」と迎え入れられてワクワクする瞬間ですが、自分だけこぼれ落ちないように集中力も絶やせません。
そのあとは、2月の関西混声合唱フェスティバルで演奏予定の3曲を時間を計っての練習です。まずは、シューマンのZegeunerleben。夜も更けた森のなかで松明のかがり火に集い踊るジプシーたち。ロマン派ならではの豊かな情景描写がこの曲の魅力ですが、その分軽快なアップテンポに乗せてたくさんの言葉を歌い上げ、その詩の世界をいきいき表現しなければなりません。まだまだドイツ語が舌に着いていないのに、今はもう、躍動感を生むテンポの切り替えもつぎつぎ指示されています。この長いドイツの詩をいつでもどこでも諳んじ口走るようにならないと、とても指揮についていけない。
続いて、高田三郎の心象スケッチより2番・4番。今日の練習ではフレーズの中にヒョイと現れる八分休符や十六分休符の歌い方に指示をいただきました。フレーズがそこで途切れないように4小節でフレーズのまとまりを意識すること、一方の十六分音符で言葉を話す部分では、間延びして響きを残さずきっちり十六分休符を取って緊張感や滑稽さを演出しなければなりません。十六分音符を歌っているときもビート感を感じてないと突っかかってしまい、変な「圧」を与えてしまうことも指摘されました。「美しいソプラノを持った俺たちの中の一人と約束通り結婚しろ♪」という男声団員にはムズムズするようなこの歌詞の部分、前半のソステヌートをテンポが遅くなるのではなく指揮のテンポを守りつつもそのなかで遅れかかるようにしていっぱいに歌う、後半部は声が野太くて「はやし立てる」場面のはずが「罰ゲーム」になっている、「恫喝」に聞こえるよと指摘されて、一同失笑しました。ドイツ語の長母音、短母音など、母音の明るい響きや深みある響きの使い分けを日々練習しているのだから、それが日本語歌詞に応じた声音の変化に応用できるはずだとのご指摘にはなるほどと思いました。
最後にシューマンのSo wahr die Sonne cheinet のQuartettバージョンを歌って練習を終わりました。
臨時総会では、来年に初の開催となる演奏会について報告があり、出席者全員による承認がありました。あちこちのホールの予約に早朝から並んでくださった皆さまに感謝しますとともに、これから一年、少ないメンバーでお互いを労わり合って全員で仕事を担当しようと気持ちを一つにしました。
それから、今日はお待ちかねの忘年会です!普段、各々お忙しく、一堂に会してお酒を飲んで語り合う場はあまりありませんから、とてもうれしい機会です。フランクに熱く語らうメンバーに圧倒されつつも、いろいろな発見があり、またお人柄の理解を深めることができて、今年入団した私にはかけがえのない場になりました。石原先生からも貴重なお話をたくさん伺いましたが、印象深いお話もありました。器が空いていればすぐビールを注いで回るような人は間違いなくいい合唱団員だ、人のことをよく観察できていて、自分だけでなく隣のメンバーの声のことも熟知している。例えばカンニングブレス一つとっても、彼がどれくらい息がもつかをちゃんと把握できていて、自然と重ならないようにブレスをずらして一つの音にしていくことができる。あまり意識していなかった観点だったので、自分は果たしてそんなふうにできていたかなと深く考えさせられました。二次会に行く人?との問いに全員が応え、いい時間が続きました。幹事さん、どうもありがとうございました。
(by バス 背伸びする藪狸)